2019年2月◆ 牡羊座キロン期:2019年2月〜2026年6月20日
現在、私たちは牡羊座キロン期の真っ只中にいます。
この期間、個人のアイデンティティや自己主張、存在の根源的な痛みにスポットライトが当たっています。
牡羊座は「自分は誰か?」という問いの星座であり、そこにキロンが入ることで、「私は誰か?」という問いに対して傷を通して向き合うよう求められているのです。
◆ キロンとは何か?
キロンは、小惑星帯と土星・天王星の間に位置する小さな天体で、約50年の周期でホロスコープを一周します。
多くの占星術師がキロンを「癒しの天体」と表現しますが、その癒しはただのリラクゼーションではありません。
むしろそれは、魂の奥深くに眠る、忘れられた痛みへの気づきと、受容と、そして昇華のプロセスなのです。
人は誰しも、人生のどこかで「どうしても癒せない痛み」や「誰にも理解されない孤独」と向き合います。
キロンは、その「個人的で孤独な痛み」を照らし出し、それを他者と分かち合うことで癒しへと変える可能性を与える存在です。
◆ 神話のキロン ― 傷ついた賢者
キロンの物語はギリシャ神話に登場します。
父は時の神クロノス、母は海のニンフ・ピリュラー。キロンは不倫の末に生まれたため、生まれてすぐに母に捨てられます。
醜い下半身の馬の姿を持っていたことから、彼は人間にもケンタウロス族からも疎まれます。
孤独と拒絶の中で、キロンは生き延びるために知識と知恵、そして癒しの技術を極めていきました。
太陽神アポロンと月の女神アルテミスによって、彼は音楽・予言・植物療法・薬学を学び、
やがては多くの英雄たちの師として名を馳せる存在になります。
しかし、皮肉にも彼自身は「癒しきれない傷」を負うことになります。
親友ヘラクレスが誤って放った毒矢に当たり、不死身の肉体に耐え難い苦痛が宿ることに。
不死であるため死ぬこともできず、やがてキロンはゼウスに願い出て、不死を捨てる代わりにプロメテウスを解放し、自らは星座となって空に昇ります。
彼は、癒す力を持ちながら自分を癒せない存在。
それが「傷ついたヒーラー」キロンの象徴です。
◆ ネイタルチャートにおけるキロンの意味
あなたの出生図(ネイタルチャート)におけるキロンの位置は、どのような心の痛みと向き合うべきかを教えてくれます。
そこには、「自分にはどうにもならない」と思えるような問題、癒すのに人生をかけるようなテーマが表れます。
しかし同時に、その傷こそが誰かを助ける力となることも示唆しているのです。
◆ ハウス別:キロンが照らす魂の痛みと成長
◇ 1ハウスのキロン
アイデンティティの傷。
「自分とは何者か?」という問いに、自己否定や無視、他者からの攻撃として現れます。
他人の言動に過敏になりやすいですが、そこから自己の軸を確立する強さが生まれます。
◇ 2ハウスのキロン
自己価値の傷。
お金や持ち物、安定によって自己価値を確認しようとする傾向があります。
本当の価値は他者の評価ではなく、自分が自分をどれだけ信じられるかにあることを学びます。
◇ 3ハウスのキロン
言葉と表現の傷。
伝えることへの恐れや、誤解、沈黙による傷があります。
しかしその分、本質を見抜く力や、繊細な言葉で誰かを癒す力を持つようになります。
◇ 4ハウスのキロン
家庭やルーツの痛み。
育った環境に安心感がなかった、愛されなかったと感じるかもしれません。
そこから自分の「居場所」を探し続ける旅が始まり、自ら誰かに安心を与える存在になっていきます。
◇ 5ハウスのキロン
創造性や自己表現の傷。
「お前には無理」と言われた経験が、やる気や自己表現へのブロックに。
しかし、それでも表現を続けることで「本当の自分」を取り戻します。
◇ 6ハウスのキロン
奉仕・健康のトラウマ。
完璧主義や、誰かの世話をすることで自分を見失いがち。
過去のトラウマを通じて、自分を大切にすることの大切さを学びます。
◇ 7ハウスのキロン
パートナーシップの傷。
近しい関係性での裏切り、離別などを経験しやすいですが、
本当の意味で依存ではない関係性を築くことがテーマとなります。
◇ 8ハウスのキロン
死・再生・深い結びつきのテーマ。
深層心理や性的な面でのトラウマが浮かぶこともあります。
しかしそこから、人の痛みに寄り添う強い共感力が育ちます。
◇ 9ハウスのキロン
信念や哲学の葛藤。
自分の信じるものに確信が持てず、不安定になることも。
しかし、自分だけの真理を見つけることで、大きな自由を得ます。
◇ 10ハウスのキロン
社会的成功や名誉への痛み。
認められたい気持ちから、無理にリーダーになろうとすることも。
しかし本当のリーダーは、他者の力を信じ、支える人だということに気づきます。
◇ 11ハウスのキロン
集団や友人関係での疎外感。
コミュニティでの違和感、居場所がないという感覚から、独自のネットワークを築く力が育ちます。
◇ 12ハウスのキロン
潜在意識・集合無意識に眠る傷。
孤独や現実逃避といった傾向がありますが、そこには深い霊的なギフトが宿っています。
人知れず、誰かの救いとなる存在になることも多いでしょう。
◆ キロンの学びとは
キロンが教えてくれるのは、「痛みは無意味ではない」ということ。
その痛みはあなたのギフトであり、他者とつながるための橋となります。
癒すことができなくても、「共にいること」が誰かの救いになることもあるのです。
キロンがあなたのホロスコープでどこにいるかを知ることは、人生の深いテーマに触れる扉を開くことになります。
自分を知り、他者を理解し、そして赦す。
キロンは、そのプロセスを静かに導いてくれる存在です。


