1. サビアンシンボルとは?
サビアンシンボルは、黄道360度それぞれに与えられた象徴的なイメージ(シンボル)です。1925年、占星術家マーク・エドモンド・ジョーンズと霊能者エルシー・ウィーラーによってチャネリングされたものとされています。
各シンボルは、詩的・象徴的なイメージで構成され、ホロスコープの各惑星や感受点が持つ意味をより深く読み解くために活用されます。
2. サビアンの歴史と起源
- 作成者:マーク・エドモンド・ジョーンズ(占星術家)とエルシー・ウィーラー(霊能者)
- 作成年:1925年
- 場所:カリフォルニア州サンディエゴ
サビアンシンボルは、エルシー・ウィーラーが霊感によって一つずつビジョンを受け取り、ジョーンズがそれを記録・構成するという形で作られました。彼らは一日で何十もの度数をセッションし、合計で360度の象徴を受け取ったとされています。彼らがいた場所は公園のベンチで、ウィーラーは身体が不自由だったため、場所を移動するのではなく、ジョーンズが度数を読み上げ、ウィーラーがそれに応じたビジョンを口にするという形式だったと伝えられています。
“サビアン”という名称は、古代の神秘主義的宗教集団”サバ教徒(Sabians)”に由来するとされています。神秘的な象徴体系としての信憑性を強調するために選ばれた名称です。
サビアンシンボルが現代で再び注目されている背景には、以下のような要因があります。
- SNSやブログ、動画などを通じてシンボルの意味や体験が手軽に共有されるようになった
- 占星術そのものの人気が再燃し、より深い・象徴的な理解を求める人が増えてきた
- 自己探求やスピリチュアルな成長への関心が高まる中で、サビアンの象徴性が「言葉にならない内面」を表現するツールとしてフィットした
- 多くの占星術系インフルエンサーや鑑定士がサビアンを取り入れて解説し始めた
こうした流れから、もともとはニッチだったサビアンが、今では「自分をより深く知るための鍵」として広く知られるようになってきています。
サビアンシンボルの変遷と再評価の歴史
サビアンシンボルは1925年に誕生した当初から、すぐに主流の占星術で広まったわけではありません。1930年代〜60年代にかけては一部の神秘主義的・哲学的な占星術家の間で使われていましたが、非常にマニアックで限られた層の中だけで知られていました。
1970年代以降、ニューエイジ運動の流れの中で「象徴」や「チャネリング」に関心が高まったことから、ジョーンズの著書『The Sabian Symbols in Astrology』が再評価され始めます。その後、ダン・ルディア(Dane Rudhyar)によって心理学的・スピリチュアルな観点から再解釈されたことで、サビアンシンボルは「魂の成長を促す占星術ツール」として少しずつ知られるようになりました。
しかし本格的に広まるようになったのは、インターネットやSNSが発達した2000年代以降です。個人ブログや動画配信で、自分の度数とそのシンボルを照らし合わせて「当たっている」「象徴的すぎて面白い」と語る人が増え、共感や拡散を通じて人気が高まりました。
つまり、サビアンシンボルは約100年の時をかけて、時代と共に何度か評価され直し、今のような市民権を得るに至ったという背景があります。
マーク・エドモンド・ジョーンズとエルシー・ウィーラーとは?
マーク・エドモンド・ジョーンズ(1888–1980)は、アメリカの神秘思想家、作家、そして占星術家で、当時すでに占星術界で一定の知名度がありました。彼は象徴主義と心理占星術を融合させた先駆者であり、後に「The Sabian Symbols in Astrology」という著書も出版しています。
一方、エルシー・ウィーラー(1887–1930頃)は霊感の強い女性で、身体的な障害がありながらも透視・チャネリング能力に優れていたとされます。彼女自身は占星術家ではなく、無名に近い存在でしたが、その霊視能力によってサビアンシンボルの根幹を生み出しました。
この二人は、それぞれ「象徴の受信者(ウィーラー)」と「記録・編集者(ジョーンズ)」という形で協力し、360の象徴体系を短期間で完成させたと言われています。
3. サビアンシンボルの読み方と使い方
- 各天体(太陽・月・水星など)や感受点(ASC、MCなど)に対応する度数を調べ、その度数のサビアンを見る
- 誕生日の太陽度数や、月の度数は特に重要な内面のテーマを示す
- トランジットやプログレスのサビアンを通して、現在の課題や流れを読み解ける
4. 実際の活用例と体験談
以下は、一部の世界的出来事とそのときの主要天体のサビアンシンボルをまとめてみました。
ウクライナ侵攻(2022年2月24日)
ロシアによるウクライナ侵攻が始まったこの日、太陽は魚座6度にあり「正装した将校たちのパレード」というサビアンシンボルが示されていました。これは、国家的権威、軍事力の誇示、秩序への強制的な従属を象徴するものであり、まさにこの日に世界中が目にした状況を象徴していたとされます。また、火星は山羊座22度「敗北を優美に認める将軍」で、これは戦いの果てにくる結末や、自らの行動への責任意識の象徴とも解釈されます。
| 天体 | 度数 | サビアンシンボル | 象徴的意味 |
|---|---|---|---|
| 太陽 | 魚座6度 | 正装した将校たちのパレード | 武力、権威、国家の秩序や誇示 |
| 火星 | 山羊座22度 | 敗北を優美に認める将軍 | 戦争、敗北、支配と戦略 |
東日本大震災(2011年3月11日)
2011年3月11日に発生した東日本大震災。この日の太陽は魚座21度にあり、「シナイから新しい法則を持ち降りてくる男」というサビアンシンボルが示され、これは新たな価値観や法則が生まれる瞬間を象徴しています。このシンボルは、震災という大きな破壊から生まれた復興の意識と、社会全体が新しい方向を模索していく過程を象徴しています。また、火星と天王星は魚座29度にあり、「巨大な石の顔」というサビアンシンボルが示され、これは強大で不動の力、そして集合的無意識を示唆しており、大規模な災害に対する人々の反応を表しています。
| 天体 | 度数 | サビアンシンボル | 象徴的意味 |
|---|---|---|---|
| 太陽 | 魚座21度 | シナイから新しい法則を持ち降りてくる男 | 精神的啓示、新しい価値観の提示 |
| 火星・天王星 | 魚座29度 | 巨大な石の顔 | 集合的無意識、不動の真理 |
香港民主化デモ(2019年6月9日)
2019年6月9日に行われた香港の大規模な民主化デモ。この日、太陽は双子座18度にあり、「中国語を話す二人の中国人」というサビアンシンボルが示されていました。これは、香港と中国本土の文化的対立や緊張を象徴しており、両者の間で交わされる対話や文化的アイデンティティを表現しています。また、火星は蟹座20度にあり、「セレナーデを歌うゴンドラ乗り」というサビアンシンボルが示され、感情的な表現、平和的な訴えや団結の象徴です。
私がサビアンに興味を持ったのが香港デモの時で、のちの結果を振り返りこれはすごい!と思ったのです。正直サビアンってどうかしていると思ってたのですが、当たっているので少し信じました。
| 天体 | 度数 | サビアンシンボル | 象徴的意味 |
|---|---|---|---|
| 太陽 | 双子座18度 | 中国語を話す二人の中国人 | 対話、文化的アイデンティティの緊張 |
| 火星 | 蟹座20度 | セレナーデを歌うゴンドラ乗り | 感情の表現、平和的訴え |
9.11テロ(2001年9月11日)
2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ。この日、太陽は乙女座18度にあり、「ウィジャ盤」というサビアンシンボルが示され、未知の力や予測不能な出来事を象徴しています。このサビアンは、まさにこの日の出来事が突然の、そして予測できなかった衝撃的なものであったことを表現しています。月は双子座28度にあり、「破産を免れた男」というサビアンシンボルが示され、危機からの再生や、苦難の後に訪れる回復を示唆しています。さらに、火星は山羊座1度にあり、「承認を求めるインディアンの酋長」というサビアンシンボルが示され、権威やリーダーシップの揺らぎ、戦いの先に求められるリーダーシップの必要性を表しています。
| 天体 | 度数 | サビアンシンボル | 象徴的意味 |
|---|---|---|---|
| 太陽 | 乙女座18度 | ウィジャ盤 | 潜在意識、予測不能な運命 |
| 月 | 双子座28度 | 破産を免れた男 | 危機と再生 |
| 火星 | 山羊座1度 | 承認を求めるインディアンの酋長 | 権威、リーダーシップの揺らぎ |
天安門事件(1989年6月4日)
1989年6月4日に発生した天安門事件。この日の月は双子座21度にあり、「労働者のデモ」というサビアンシンボルが示され、これは市民の抗議や自由を求める強い意思を表現しています。天安門事件では、市民が権力に立ち向かい自由を求める姿が象徴され、このサビアンシンボルがそのまま反映された形となっています。
| 天体 | 度数 | サビアンシンボル | 象徴的意味 |
|---|---|---|---|
| 月 | 双子座21度 | 労働者のデモ | 市民の抗議、自由への叫び |
サビアンシンボルが「当たる」と感じられる理由の一つは、その象徴が非常に抽象的で多義的であるため、個人の経験と自然に重なりやすいという特徴にあります。ただし、単なる曖昧なイメージというわけではなく、時に驚くほど具体的な出来事や心境を言い当てることもあり、多くの人がその“ピンポイント感”に驚かされます。
また、以下のようなエピソードもSNSやブログで多く語られています:
- 自分の太陽や月のサビアンシンボルが、人生の転機の象徴そのもので驚いた
- 特定の出来事(出会い、別れ、転職など)が、トランジット天体のサビアンの意味と一致していた
- 心の奥底で感じていたテーマや性格傾向が、まるで文章化されていたように描かれていた
とくに、月や水星の度数に対して「これはまさに自分」と感じる人が多く、ちなみにこの一番上の画像は私の牡羊座水星金星の17度「 2人のしかめつらした独身女性」です。結構ニュアンスも好きですし、AIで生成した画像ですが結構気に入っています。
なぜ今、サビアンなのか?
現代は、誰もが“個”としての生き方や意味を問われる時代です。
社会の枠組みや常識が揺らぐ中で、「私は誰なのか」「何のためにここにいるのか」を深く掘り下げようとする人が増えています。
占星術が再び注目を集めているのも、その一環です。
ただし、太陽星座だけでは語りきれない「個の奥行き」を知りたい人たちは、より象徴的で詩的な表現に魅力を感じ始めています。
サビアンシンボルは、ホロスコープの中の度数それぞれに、物語や風景のようなイメージを与えます。
それは、単なる分類ではなく、魂の旅路を1度ずつ照らしていく道標のようなものです。
しかも、サビアンのイメージは抽象的だからこそ、人はそれを自分の物語として直感的に受け取ることができる。これは、AIやアルゴリズムでは代替できない、「自分で意味を見出す力」を引き出すものです。
「自分の太陽度数のサビアンがぴったりで驚いた」「今日のトランジットのサビアンが今の状況そのまま」と語る人が増えているのは、言葉にならない直感や感覚を、“象徴”というレンズで見つめ直したいと望んでいるからです。
サビアンシンボルは、スピリチュアルと現実をつなぐ“詩”のようなツール。
だからこそ今、個人の内面に深く触れ、自分を知る手段として静かに広がっていくのです。私自身、サビアンシンボルを初めて知った時自分のサビアンを確認してもイマイチピンときませんでした。それでも今はしっくりいっています。それがサビアンシンボルの奥深さです。


